人生100年時代、終身雇用が崩壊し、サラリーマンが安泰とは言えない時代になってきました。
そんな時代だからこそ、起業を考えているサラリーマンの方は多いのではないでしょうか。
しかしながら、起業するにはリスクがあり、なかなか一歩踏み出せないという方がほとんどでしょう。
そんな方に「会社を辞めない起業」を提案してくれています。
サラリーマンである恩恵を受けながら、小さく起業するという方法です。
本書は、「会社を辞めない起業」に対する、マインド・ノウハウを紹介してくれています。
副業NGでもその回避方法が記載されているので、すべてのサラリーマンにとって一読の価値ありです。
この記事はどらが書きました。
著者・松田充弘さんの紹介
著者の松田充弘(まつだ みつひろ)さんは、グロービスMBA大学院の客員准教授を務める一方で、株式会社Next Action・株式会社GM-NeXT/代表取締役社長、目元美容サロンJIYUGAOKA eye salons グループ代表兼オーナーなどの多くの肩書を持つ起業家です。
東海大学教養学部を卒業後、株式会社マイカル(現イオンリテール)に入社。
人材派遣のグッドジョブ株式会社(現パーソルテンプスタッフ)を経て、2002年に日本初のパートタイム人材会社「株式会社ビースタイル」を創業メンバー4人で設立します。
この起業のはなしは本書でも紹介されています。
その後も様々なビジネスを立ち上げ、これまでに13事業を立ち上げ、全てが現存事業として展開しています。
その経験を生かし、ビジネスリーダー研修を年間平均180講座を実施しており、その受講者は年間平均4,500名以上の実績を持ちます。
また、事業の立ち上げ・拡大・副業・複業支援を目的としたビジネスパーソン(経営者・学生・主婦・シニアも含む)向けのコーチングを1ヶ月平均50人のクライアントに実施中。
「笑顔で働く人を増やす」ことをミッションにして、幅広く活動されています。
「会社を辞めない起業」の紹介と感想
本書のタイトル「会社を辞めない起業」。
誤解しそうになりますが、筆者は、会社を辞めずに副業として起業して収入源を確保しよう、ということを訴えかけてはいませんでした。
自身のマイビジネスを見つけて、起業するためにまずは会社を続けながら起業するやり方を教えてくれています。
そのためには、どんな考え方を持ち、どんなやり方で起業したらよいか、というようなことを教えてくれます。
目次
- 第1章:ステップ1 会社を辞めずに起業するためのマインドセット
- 第2章:ステップ2 起業のタネ 「マイビジネスリスト」をつくる
- 第3章:ステップ3 どんなビジネスから始めればいいのか
- 第4章:ステップ4 サラリーマンのまま起業するには方法がある
- 第5章:ステップ5 マイビジネスを表現するための時間管理術
- 第6章:ステップ6 マイビジネスをあきらめないマインドの鍛え方
- 第7章:ステップ7 マイビジネスで収入を得る
- 第8章:ステップ8 マイビジネス事業を拡大していく
おすすめポイント
本書のおススメポイントは以下の3点です。
- 起業するマインドセット
- サラリーマンという特権の活用
- 起業のための時間管理術
起業するマインドセット
今はVUCAの時代。
(VUCAとは、Volatility:変動性・Uncertainty:不確実性・Complexity:複雑性・Ambiguity:曖昧性の頭文字をとった言葉のこと)
こんな時代だからこそ起業のチャンスであると、主張しています。
起業のチャンスではありますが、やはりリスクが伴います。
起業するには覚悟が必要になります。
遊びの時間や休みの時間を使ってでも、やりたいと思えることが見つからないと長続きはしません。
そのためにまずは自分自身と向き合うことが必要で、以下の3つについて考えてみる必要があります。
- 自分がこの人生で命をかけてやりたいこと
- 自分が一番になれるもの
- 自分にできることで人に喜ばれること
この3つが重なるものが、あなたのミッションとなります。
すぐには見つけることは難しいでしょうが、考えて続けて、書き出し言語化することで頭の中が整理されていきます。
起業を無条件に勧めるような本かと思いましたが、しっかりと考えて起業することを助言してくれています。
サラリーマンという特権の活用
「起業」を考えている人には、現状の会社に不満があるという方がいると思います。
だからといって、今すぐ会社を辞めて起業する考えは改めた方が良いと、著者は訴えています。
「会社を辞めない起業」というタイトルから察しはつくかと思いますが……。
サラリーマンの安定的な収入という最大の強みがあります。
この強みを捨てる手はありません。
このサラリーマンで安定的な収入があるなかで、マイビジネスを検証して改善していくのです。
ビジネスを立ち上げるには最初から上手くいくことは到底あり得ません。
であれば、この安定的な収入があり多少の失敗が受け入れられる時期に、たくさん検証して失敗し、改善点を見つけ出して、改善していく。
このサイクルを回していくことが必要です。
著者はこの検証→改善のサイクルを最低でも5回は実施すべきと語っています。
あなたのミッションが見つかったら、まずは会社を辞めず副業としてスタートしてはどうでしょうか。
起業のための時間管理術
サラリーマンをやりながら起業するとなると、どのように時間を捻出すればよいかわからないという意見が聞こえてきそうです。
本書では、効果的な時間管理術の方法も紹介しています。
まずは、本業を定時に終わらせることが必要になります。
タスクの管理術は本書でも紹介されていますが、このあたりの手法は様々は書籍で紹介されていますので、自身にあったやり方をみつければよいと思います。
また、起業するとなると新たなインプットが必要となります。
このために有用なのが「ながら」を活用するということ。
本書では、ランニングしながら聴く読書の例が挙げられています。
私も、散歩しながらVoicyを聞いたり、歯を磨きながら本を読んだりという「ながら」時間を活用しています。
この時の注意点としては、「頭を使わなくても行える行動」と「頭を使う必要がある行動」を同時に行うということ。
テレビを見ながら読書はダメな例でしょう。
こうしてできた時間を使用して、普段見逃しがちな、緊急度は低いが重要度が高いタスクにどんどん時間を割いていくことが必要です。
(以下の図の、左上の領域)
まとめ
今回は、松田充弘さんの著書「会社を辞めない起業」を要約・紹介させていただきました。
起業をするには、覚悟を決め、サラリーマンという特権を活用し、時間を効率的に使い、マイビジネスに充てていく必要があります。
他にも、起業するための「開業届」の出し方や「確定申告」のやり方、事業計画の作り方を具体的に紹介しくれたり、副業NGの場合に会社を辞めずに起業する方法も提案してくれています。
紹介しきれない部分もありますので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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