コンサルタントといわれる職業は、数年でとても濃い経験をするといわれています。
そのコンサルタントが「最初の3年間」で学ぶことを体系化し解説してくれる本を紹介します。
コンサルタントは濃い経験を得られる代わりに、激務が待ち受けているとのこと。
そんな経験をしなくても、本書を読めばそのエッセンスが得られ、コンサル思考が手に入ります。
内容の紹介と感想
本書は、コンサルティングファームでの濃密な3年間の経験を一冊に凝縮しています。
「答えのない」問題に立ち向かうための独自の思考法や、厳しい業務を乗り越えるための方法論を99+5つ紹介しています。
この本は、一般的なビジネスマンが当然と考えている「正解」を否定する視点も持っており、それが読者に刺激を与え、新たな視点を提供してくれています。
オープンクエスチョン+「自分なりの考えの答え」=クローズドクエスチョン
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンについては、説明不要かと思います。
一般的には、クローズドクエスチョンの方が明確で理解しやすいと言われるかと思います。
この本ではオープンクエスチョンに自分だけの答えを見つけ、それをクローズドクエスチョンにするという新たな視点を提供しています。
これは、上司に情報を伝える時や判断を求める時に非常に重要なスキルとなり得るでしょう。
「考える」と「描く」の使い分け
この本では「考える」と「描く」を分けるという考え方も紹介しています。
PowerPointを使って考えると描くを同時にやろうとすると、見栄えの問題に気を取られてしまい、「考える」がおろそかになりがちです。
そこで、まずはWordを使って「考える」にフォーカスをあて集中し、その後でPowerPointに張り付けるという方法を提案しています。
考えがまとまるまではPowerPointを開かない。
これはほかの書籍でも紹介されている鉄板の手法ですね。
「あれどうなった?」と言われたら終わり
「あれどうなった?」の前と後で評価が天国と地獄に分かれる、ということが紹介されています。
「あれどうなった?」と上司に言われた時点でもうアウト。
これを言った上司は、自分が期待する期限より遅いということを意味しています。
これは、頼む側としてもも頼まれる側としても共感できるのではないでしょうか。
まとめ
このように、この本はビジネスマンとして納得でき、実践したくなるテーマがたくさん詰まっています。
ただし、コンサルだからできるでしょ…というものもあり、すべてのテクニックやアドバイスが全ての人にフィットするわけではなく、自分自身に最も適した方法を見つけることが重要となりますね。
本書の目次
- 「2度はできない」叱咤激励の1年目
- 「天狗になる」⇔「鼻をへし折られる」繰り返しの2年目
- 「付加価値を付ける」真っ向勝負な3年目
- 「一桁上の価値を出す」マネージャーに挑戦の4年目
著者の紹介
(株)KANATA代表取締役、「考えるエンジン講座」代表。
NTTデータ、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)を経て「考えるエンジン講座」を提供。
1対1で「コンサル思考・働き方」を教えています。
『「暗記する」戦略思考』(通称青本)や『ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術』(通称黄色本)を上梓。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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