【書評】LIFE SHFT(ライフシフト) リンダ・グラットン,アンドリュー・スコット著 ~人生100年時代の生き方~

ビジネス本

医療やテクノロジーの進化により100歳まで生きることが珍しくない時代が目の前に来ている。
というか、ほぼ来ているといっても過言ではないでしょう。

長生きできるということは喜ばしい反面、生活していく期間が長くなるということ。
今までの考え方では立ち行かない「人生100年時代」をどう生き抜くか、が書かれた
「LIFE SHFT」を紹介していきます。

この本はこんな方におすすめ!
  • 100歳時代を生き抜く術を知りたい
  • 今の会社で働き続けていいのか迷っている
  • 就職活動中の大学生
どら
どら

この記事はどらが書きました。

作品と著者の紹介

本書は2016年に出版され、大反響をうけベストセラーとなった作品です。
ビジネス書対象2017で準大賞を受賞しています。

著者のリンダ・グラットン、アンドリュー・スコットさんはロンドンビジネススクールの教授さんだそうです。
長寿化について研究しているんですね。

人気YouTuberサラタメさんの人生を動かした本でもあります。
サラタメさんが書いた本は以下で紹介しています。

誰もが100歳まで生きる時代が目の前に迫ってきており、今までの考え方では生き抜くことができません。

終身雇用の崩壊が叫ばれて久しいですが、「教育・労働・引退」という3つのステージを考えでは生きていくことができません。

今後100歳まで生きていくには、どのような生き方、考え方、働き方、人との付き合い方
が必要なのかを紹介してくれています。

非常に考えさせられる作品となっています。

内容の紹介と感想

本書に書かれている内容を紹介します

本書の目次

  • 序 章 100年ライフ
  • 第1章 長い生涯――長寿という贈り物
  • 第2章 過去の資金計画――教育・仕事・引退モデルの崩壊
  • 第3章 雇用の未来――機械化・AI後の働き方
  • 第4章 見えない「資産」――お金に換算できないもの
  • 第5章 新しいシナリオ――可能性を広げる
  • 第6章 新しいステージ――選択肢の多様化
  • 第7章 新しいお金の考え方――必要な資金をどう得るか
  • 第8章 新しい時間の使い方――自分のリ・クリエーションへ
  • 第9章 未来の人間関係――私生活はこう変わる
  • 終 章 変革への課題

働き方の変革

本書では、3つ働き方のモデルが紹介されています。

  • ジャック 
    1945年生まれ 70代   寿命70歳前後
  • ジミー  
    1971年生まれ 45代半ば 寿命85歳前後
  • ジョーン 
    1998年生まれ 10代後半 寿命100歳?
どら
どら

外国人の名前はわかりずらい…。しかも全部「J」だし。読んでて混乱しました。

さらに後半でジョーンは女性だということが判明

愚痴はさておき。

ジャック
いわゆる終身雇用が通用していた時代。
私の親世代が該当します。

学校を卒業し、就職したら頑張って働いていけば年々給料は上がっていく。
定年退職し、退職金で余生を過ごす。

今考えると理想的な生き方ですよね。
(そりゃ当時は色々と大変なこともあったでしょうが)

「教育・労働・引退」という3つのステージがうまく機能していた時代です。

ジミー
私はジミーに該当します。
いわゆる、終身雇用が崩壊し新しい働き方が出来上がる前の過渡期世代。

「教育・労働・引退」という3つのステージを求めていたが、変化を求められる世代。
つらいですね。

ジャックのような親世代を見習って、引退するとその後の生活が成り立ちません。

40代~50代で今の会社を辞めて、細く長く働ける会社に転職するか、一念発起し、勉強しなおし起業するなどの新たなステージでの活躍の場を求める。
そのようなシナリオが紹介されています。

私はこの真っ只中にいるわけで、今の会社でこのまま働いていてよいかを悩み中。
本書は参考になりますが、リスクもあり大胆な行動に出る訳にはいかないので、今のところは2つ目の財布を求めるべく副業を始めています。

ジェーン
私の子供の世代になるのでしょうか。
私の世代によりさらにフレキシブルな働き方が求められます。

本書でもその働き方が紹介されていますが、想像を絶します。
大学を卒業し、旅に出て人脈を広げる。
旅の経験を活かし起業。
その後移行期間と就職を繰り返し長期間さまざまな形で働き続ける。

だいぶ端折っていますが、今より確実に選択肢が増えていくことは確実でしょう。
本書で紹介されているシナリオが、大げさなのか当たり前になるのかは今のところわかりません。

少なくとも、新卒が絶対的に有利な状況や、休職期間が不利に働くことがなくなっていくんでしょうね。

それにしても、私の子供がこのような働き方をするのは想像できませんね、今のところは。

有形資産と無形資産

本書では「無形資産」の重要性を語っています。

「有形資産」とは、金銭的価値があるもの。
現金や貯金、家や株式などのことですかね。

「無形資産」とは、お金に換算するのが難しいもの。
友人や家族、知識やスキル、肉体的・精神的健康のことです

100年時代を生きていくにあたっては、いくらお金があっても、友人がおらず、家族をないがしろにして、不健康では意味がありません。
「無形資産」が大事と語っていますが、つまりはバランスが大事ということですね。

本書では無形資産を以下のように分類しています。

  • 生産性資産
    知識やスキル
  • 活力資産
    肉体的・精神的健康や、友人・家族との良好な関係
  • 変身資産
    人的ネットワークや、新しいことに挑戦する姿勢

変身資産というものは、100年時代を生き抜くために必要な資産として定義された新しい資産の考え方で、生産性資産や活力資産と比べるとイメージしずらい。

今後、長期化するだろう労働のステージに対して、勤労期間の細切れ化が予想される。
労働期間が細切れになることにより、切り替わりのタイミングで労働⇔教育などの移行期間が発生します。

この移行期間に耐えうる資産というように理解しました。

新しいテクノロジーについて学びなおしたり、新しい人的ネットワークを築きなおしたり、このような変化を受け入れ行動することです。
今はイメージしずらいですが、今後は当たり前となっていくのでしょうか。

本書では、100年時代を生き抜くには変身資産がとても重要と言っていますが、私個人的には「活力資産」の重要性を再認識した。

上記のジャックのような私の親世代では、家庭をかえりみずがむしゃらに働くことが美徳とされていたような気がします。

70歳前後が寿命であった時代はそれでもギリギリセーフだったかもしれませんが、100年時代は家族や友人を大切にする必要があります。

会社で関係がある人々は引退したらきっとすぐに途切れてしまうのだと思います。
長い人生を楽しむためにも、働いているときから家族や友人との時間を作り大切にしていくことが大事になってくるでしょう。

レクリエーションからリ・クリエーションへ

本書でのもう一つのポイント「レクリエーションからリ・クリエーションへ」

レクリエーションは娯楽、リ・クリエーションは再創造と定義されています。
100年生きる時代になるとそれだけ時間は増えますが、その使い方が重要になります。

「教育・労働・引退」という3つのステージが成り立っていた時代であれば、教育のステージで得た知識を引退するまでほとんど更新せずに費やすことが可能でした。

そのため、余暇時間はレクリエーション(娯楽)に費やしていても問題なかったのです。

ですが、100年生きることとなると新たな知識を習得に時間を費やす必要が出てきます。
余暇時間をレクリエーション(娯楽)のみに費やさずにリ・クリエーション(再創造)にも費やしましょうと

ただ、上記でも家族との関係の大切さを語った通り、娯楽も大切です。
家族や友人とのレクリエーション(娯楽)の時間も確保しつつ、リ・クリエーション(再創造)の時間も確保するバランスが重要です。

まとめ

人生100年時代を生き抜く術を解説してくれています。

今までの働き方は通用しなくなり、フレキシブルな働き方が求められます。
そのためには有形資産の構築だけでなく、無形資産の構築にも注力する必要があります。
時間の使い方が重要になってきて、レクレーション(娯楽)からレ・クリエーションという考え方が重要になります。

今後の生き方を考えさせられる作品となっています。
すでに働いているビジネスマンはもちろんですが、これから働き始めようとしている就職活動をしている学生の方にもおすすめできる本です。

就活生は、ジェーンのモデルを参考に今までの固定概念に囚われず働き方を考えていかないといけないですね。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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